Brill Fonts
具体的には図の左上「あ」に破線で示したところである。このスペース=フトコロが決まれば、文字のカタチは自ずと整う。ただ、しかし、このフトコロを見るのはかなり難しい。人の目は「地」よりも「形」の方にいってしまうものである。つい「目に見える形」ばかりに気を取られ、そこにできる「空き」に目がいきにくい。この「空き」のバランスが文字のカタチを成り立たせる大事な要件なのに、なかなか見えない。
*英文の BVLGARI は、1文字ではなく単語になった場合の文字の間隔の「ふところ具合」の例。
ではどうするか?そのバランスをどう見るか?
ひとことでいうと「地」と「形」を反転させて見るのである。描いている最中に、文字どおり反転することはできないから、これは自分の網膜上でおこなう。なんとも、頼りない説明だが、「形」をじっと見つめ、同時に「地」を強く意識するとだんだんと見えてくる。これは、トレーニングすれば必ず出来るようになる。そうやって「地と形」の見方に慣れてくると、他の様々なこともその方法で見えてくる。図の右上は、その感覚をイメージしたもの。
言葉を組むタイポグラフィ然り、文字関係だけでなくレイアウトも然り、である。で、この修得にはだいたい十年くらいかかる。もちろんこのセンスを先天的に持ったデザイナーもいる、これは幸せである。